データ活用のキーワードは協調だよ、というニュース

今朝の日経の記事を抜粋。さらっと書いてあって見逃しそうになりますが、これからのテクノロジーの行方を示す内容となってます。

スシロー、ビッグデータ分析し寿司流す 廃棄量75 %減

そんな先進的なシステムを導入しているスシローだがすべてをITに委ねているわけではない。例えばシステムがまぐろを8枚流すような指示を出していても店長の判断で6枚に減らしたりする。キャンペーンやテレビCMの頻度、店舗近くのイベントなどによって、顧客数は違ってくるからだ

スシローさんの取り組みは同業他社さんにさきがけた先進事例という意味でもちろん素晴らしいですが、データ分析で効率化という見方だけだと既定路線で面白みがない記事となりかねません。私達としては、データ分析がどんな形で進んでいくのか、というより解像度の高い見方をせねばならず、そこに言及していたのが抜粋したパラグラフでありました。

そこには、店長の判断とITの判断を総合して最終的に意思決定するんだよ、ITに頼り切るんじゃないよ、ということを書いてあります。これがデータ活用との適切な距離感だと思うのですね。

というのも、データによる機械的意思決定というのは間違えうるわけです、設計上*1。これは現状の技術ではもういかんともしがたいです。センスのある人はこれがわかってます。だから、あくまで最終的な決定は人間がするんだよ、頼り切るんじゃないんだよ、ということを理解して導入してます、現場は。これってもう人間と一緒に働く感覚に近いです。人間と仕事するときって、相手が間違える可能性があると思ってますよね、当たり前の前提として。
よくある「何でも良いから利益に直結する分析してよ」という決まり文句は、協調するという視点からは少しズレちゃってますよね、投げてるというか。まあ気持ちはわかりますけど、管理職ってそういうスタイルで仕事せざるを得ないですものね多くの場合。忙しくて。

というわけで、データ活用はしばらく「機械と協調するんだ」という感覚を持って付き合う必要があると思います。

*1:なんで間違えうるんだというのはまた別途